フレックス回路:革新とプロセス

フレックスPCBは、近代的な高密度エレクトロニクスの実現に大いに貢献しましたが、この高密度を達成するには、より薄い層とより細かい配線が必要です。銅、ポリイミド、および接着剤からなる従来の3層フレックス回路は、より薄く、より滑らかな2層フレックス回路に移行しつつありますが、これは接着剤層をなくして、代わりに銅がポリイミド上に直接付着されています。この2層回路は30μmという薄さで、配線間隔は15μm(0.6ミル)という微細な間隔です。このため、加工されたパネルは、しわ、引っ張り、または引っかき傷が生じないよう、極めて慎重に取り扱うことが不可欠になります。

スマートフォン向け折りたためるフレキシブル基板

フレックス回路は本質的に物理的な繊細さを備えているため、製造する上で大きな課題をもたらします。つまり歩留まりに悪影響を及ぼす可能性があり、また設計の実行可能性に影響するおそれがあります。これらの課題は、フレックス支援技術によって取り組まれており、大規模なFPC(フレキシブルプリント回路)製造を可能にすると同時に、品質の歩留まりと出力を確保しています。より多くのフレックス回路サプライヤーは、高度なフレックス製造技術を採用することで、製造効率を高め、歩留まりを改善し、低コストと市場競争力を維持しています。

FPCの生産設計と製造はリジッドPCBとは異なるため、過去10年間で生産サイクル全体にわたって、フレックスPCB製造の繊細さに対応した新しいソリューションが開発されました。従来のシートツーシートのマテリアルハンドリングの改善や、最近では、自動化されたロールツーロール(R2R)プロセスが、フレックス回路の製造を促進し、増大する市場の要求に応えています。フレックスを取り扱うなら、知っておくべきいくつかの技術があります。

スマートフォン向け多層フレキシブル基板​

フレックスCAMおよびフレックスCADのソリューション:設計から生産までプロセス管理の改善

フレックス回路のための特別な製造性考慮設計(DFM)ソフトウェアツールが、設計段階で生産上の問題を低減するのに役立ちます。これらの高度なツールは、手動の編集セッションの完全自動化、およびエラーの低減やクリティカルなサイクルタイムの短縮に使用されます。現在利用可能なフレックスDFMの中には、自動ジョイント曲げと表面平滑化、自動カバーレイとソルダーマスクの最適化があり、これらは、設計の高速化、高品質化、高精度化を実現します。

フレキシブル基板解析および製造最適化(出展:Frontline PCB Solutions)

一般的な多層プリント基板設計(出展:Frontline PCB Solutions)

ツールベースのフレックス回路設計アナライザは、エンジニアがツーリングの前、中、後で設計をレビューできるようにすることで、さらなる管理を実現しています。これらを使用することで、フレックス基板の構造上の制約をチェックすることができ、また硬化剤、空隙、プリベンド領域、頻繁な可動部、トレースの重なりや接合部、および導電性マスクに関する問題を報告することができます。

メンター・グラフィックスとGenFlexのXpeditionやフロントラインのInCAM Flexなどの特殊な専用CAD/CAMツールが、フレックスプリント回路設計に利用できます。

フレックスパネルのレーザードリル加工による高密度化と高歩留まり

フレックスプリント回路の生産では、レーザーによるドリル加工や配線が一般的です。紫外線レーザードリル技術は、高密度フレックスの製造に利用され、銅とポリイミドの層を通して直接70μm未満のビアをドリル加工します。高精度レーザードリルは、パネル上のターゲットを取得し、ドリル位置を正確に調整することで、ビアの最適な位置合わせを確保することができます。レーザー装置は、PCBで一般的である高精度な微細配線とスロットアブレーションにも使用されます。レーザードリルはシートベースの生産に対応しており、最近ではロールツーロールの生産モードにも採用されています。

レーザーダイレクトイメージング:非平面フレックス材料の精度と歪みの補正

今日まで、高性能フレックス回路のサプライヤーは、主にレーザーダイレクトイメージング(LDI)装置に頼って、両面フレックス、リジッドフレックス、および多層フレックス材料のためのシートベースイメージングで使用してきました。LDIは、以下を用いて、フレックスの生産上の課題を克服します。

  1. 高精度の被写界深度(DOF)の光学系:表面が必ずしも常に平坦ではなく、表面の高さのばらつきが100μm〜300μmのフレックス材料に微細な配線フィーチャを描画します。LSO(Large Scale Optics)技術を用いたLDIは、300μmを超える焦点深度を実現し、どのようなフレックス表面でも最適な配線品質と均一性を保証します。DOFが100μm未満の精度の低いその他のイメージング光学系では、配線の品質が低下し、また均一性が欠如し、歩留まりに影響を及ぼします。
  2. 歪み補正:ポリイミドのフレックス材料は、製造中に変形され、引き伸ばされます。この変形を補正するため、個々のフレックスシートを測定し、補正された修正画像を用いて描画することで、ドリルビアに対してパターンを正確に位置合わせします。位置合わせ精度の高いデジタルダイレクトイメージングソリューションのみが、測定されたシートごとにパターンイメージを修正および補正することができます。これはビア位置合わせに対する正確なパターンをサポートしており、高歩留まりFPC生産で小さなキャプチャパッドと高密度化を可能にしています。

LDIは、微細配線のフレックスプリント回路のシートフォーマット量産の80%以上で使用されています。ロールツーロールの生産インフラストラクチャで機能するLDIの必要性が継続して高まっており、フレックスロール用のLDIが開発されています。

光学式自動外観検査装置(AOI):より高度な品質検査の達成

FPC製品の大半は、両面または片面のいずれかです。従来、これらは必ずしもAOI検査を受けていません。過去5年間で、微細配線のフレックスはスマートフォンの内部配線の大部分を占めるようになったため、統合デバイスメーカーは片面および両面FPCの高品質な管理が要求され、AOIレベルの検査が必須となりました。

ポリイミド基材は透明であるため、検査には課題があります。新しい検査AOIツールは複数のイメージング機能を備えて開発されており、パターン最下層からの誤ったオーバーコールなしに完全な検出が可能になるようにFPCをスキャンすることができます。

AOIは通常、検査および検証段階で、パネルシートを手動で取り扱う必要があります。この手動による方法は取り扱い上の問題を引き起こします。繊細で薄いFPCシートを取り扱う際に損傷が頻繁に生じ、スクラップが大幅に増大します。

薄いコアのフレックスシートの取り扱いの自動化は、大きな技術課題であるため、検査と検証のためには、ロールツーロール操作モードに移行する必要性が高まっています。

自動フレックスロールAOIシステム

現在、およそ100台のAOIシステムが、主にスマートフォン生産について、アジア太平洋地域での検査と検証モードの処理にロールツーロールを使用しています。これらのAOIは、片面および両面フレックス回路、およびリジッド層および多層フレックス回路の内層にも使用されます。

光学式自動シェイピング:FPCスクラップの復元による歩留まり向上

微細配線の両面FPCのコアは30μmであるため、欠陥の手動による修復や再加工という選択肢は過去にはありませんでした。欠陥のあるFPCは直ちに廃棄されていました。しかし、過去3年間で、微細FPCをシェイピングして保存するための完全に自動化された銅シェイピングソリューションが開発されました。この光学式自動シェイピングソリューションは、高度な蛍光ベースのイメージングとレーザーアブレーションツールを使用して閉ループシェイピングシステムとともに動作することで、実質的に貫通なしで微細なショートを除去し、FPCに損傷を与えません。これらの損傷したFPCは復元され、廃棄される必要がなくなるため、最終的な歩留まりが向上し、大幅に製造コストが削減されます。光学式自動シェイピングは、最近、ロールツーロールモードで実施されました。

ソルダーマスクのフレックス層のダイレクトイメージング(DI)

強化用ガラス繊維を含まない薄いフレックス製品は、製造プロセスの間に移動および変形する傾向があります。これらの変形は、製造プロセス全体にわたって蓄積され、ソルダーマスクの段階で補正が必要になります。これは、なぜスマートフォンFPC用ソルダーマスク層でのDIの使用が増大しているのか、またなぜDIが高歩留まりで大量FPC生産のための選択肢になっているのかを説明するものです。

ロールツーロール処理:損傷の排除

シートツーシート処理が多段階のバッチ処理手順と小さな基板サイズによって妨げられるのに対し、ロールツーロール処理では、一般的に100m長の長いフレキシブルウェブの高速連続処理が可能になります。この方法を用いると、生産効率は大幅に改善され、1つの長い連続生産ウェブ上で数万個の小型FPCを生産することができます。ロールツーロールは、片面および両面フレックス回路、および多層フレックス回路の内層の処理に対応できます。

高速連続R2R処理

ロールツーロール処理のインフラストラクチャでは、記載されているすべての生産設備のカスタマイズに加えて、化学ラインを含むその他のプロセスのために、大幅な初期投資が必要です。この投資は、シートツーシート処理に必要なコストよりもはるかに大きいため、フレックス回路サプライヤーは、当然のことながら、ロールツーロールの採用には慎重でした。ただし、ロールツーロールプロセスを使用すると、フレックス取り扱いにおける損傷が排除されることで、高品質と高歩留まりが得られるというメリットがあるため、プロセスのコスト効率が向上します。

結論

FPCは、幅広い用途で非常に貴重です。近代的なスマートフォンにおいては特にそうで、配線の折りたたみ機能とともに高密度パターンが実現されています。これにより、従来のリジッドPCBでは実現できなかった効率的な薄型製品設計が可能になります。しかし、これらの超薄型でフレキシブル、かつ繊細な配線を作り出すには、多くの課題が伴います。デバイスのコストを最終的に上昇させる低歩留まりと製造の非効率性によって、これらの回路が実現する技術の利点が損なわれることのないよう、生産プロセスの全体にわたって特別な注意を払う必要があります。

高度なレーザードリル加工、AOI、およびDI機能を備えた高効率なロールツーロール処理の活用に加えて、フレックスに最適化されたソフトウェアツールを利用することで、フレックス回路サプライヤーは、新しい規模の経済性を実現するとともに、競争の激しい市場で製品を差別化するために必要な、信頼性が高く汎用性に優れたフレックス回路を設計者に提供しています。

 

著者:Micha Perlman、Senior Marketing Manager, Orbotech

Published by: EDN

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